今、手元にある企業の季刊誌があります。
医療事務や警備などを手に掛ける会社に勤めている
教え子が届けてくれた「社内交流誌」です。
表紙をめくると、目に留まった言葉がありました。
- 第一はお客様のため
- 第二は従業員のため
- 第三は会社のため
- 第四は会社を倒さないため
と書かれていました。
この理念を繋げていけば
「人財を育てることに繋がっていく」
という考えになります。
この理念を胸に多くの社員が心して日々励み、
それぞれの研修を積み重ね、現場に戻って活躍する。
そうした姿を見るのは楽しみでもあります。
さらに、社長さんが年に一度「親孝行月間」を
設けているそうです。
社員のみなさんが提出した作文の中から
「これは」と思う作文を紹介するものです。
その中に、教え子の文面が目に留まりました。
「四月に息子が中学生になった。小学生の頃とは
比べものにならない学習量とハードな部活の両立に、
心の成長が追いつかない息子にイライラしていた。
気が付くと私が子どもの頃、母に言われた小言や
言われても自分の心に全く入ってこない小言、
私が母と同じ立場になってみてようやくその思いに
気づかされている。
子育てに終わりはないかもしれない。
『親孝行月間』にあたり、私が思うことだ。
大切な一人息子を世の中に通用する人間に育てて
いくことが何よりの親孝行。
そのために私は今自分を磨いているのだと思う」
とありました。
私もこの文面を読み、暖かいものが込み上げてきました。
全国で働く3000人近くの社員のみなさんが、
今ある命を育ててくださった親への感謝の気持ちを持った時、
そこには、素晴らしい人財が育ち心のこもったおもてなしの心が
培われることでしょう。
そうした社員が、全国で一人でも多く活躍してくださることを
期待したいものです。
福嶋美雪さま 【2016年3月 vol.289 JAながの月刊マガジン vivid掲載】